筋力トレーニングを初めて初期の段階では、トレーニングの後に2~3日空けて再開する方法を繰り返す事で、筋力の向上を実感する事が出来るとされます。
しかし、実施年数が長くなるに従って向上の程度は落ち着き、変化がなく頭打ちになってしまう場合が多く、工夫が必要になります。
トレーニングの原則の1つに「漸進性」が挙げられ、筋力レベルの増加に合わせて次第に負荷や刺激を高めていくという考え方があり、それを踏まえた予定立てが必要になります。
そして、漸進性を取り入れた最適な頻度は、トレーニングをどの程度行っているかという個々の状況に応じて考える必要があり、一般的なガイドラインを下記に記載します。
一般的なガイドライン
トレーニングを始めて半年も経過しない人を初心者とし、半年~1年を中級者、1年以上を上級者とした場合、週当たりのセッション数は以下のようになります。
中級者……トレーニングを始めて半年から1年未満
上級者……トレーニングを始めて1年以上
初級者(半年未満)
初心者や未経験者が全身のトレーニングを行う場合、十分な休息を設ける為に1日~3日間のオフを設定する事が推奨されます。
以下の例は上段で「週2回頻度」と下段で「週3回頻度」となり、それぞれに伴う休息日数となります。
・週2回のトレーニングを行う場合
実施日:月曜日・木曜日
休息日:火~水曜日、金~日曜日
※休息日が2日間または3日間となる
・週3回のトレーニングを行う場合
実施日:月曜日・水曜日・金曜日
休息日:火曜日・木曜日・土~日曜日
※休息日が1日間または2日間となる
上記はあくまで休息日を一定期間保つような組み合せとなりますが、大切な事は休息日を4日間連続で取らないようにする事と言われています。
4日間の休息日を設けた場合、トレーニング効果が低下するとされる事から、週2回~3回の頻度でトレーニングを行い、休息は最大3日間とする組み合わせが肝要になります。
中級者(半年~1年)
中級者の場合は、週3~4回が推奨されます。
頻度を増やした場合、トレーニングが連続した日が出てきますがしっかりと休息を設ける為にスプリットルーティーン(split routin)を組む場合が一般的です。
スプリットルーティーンは分割したトレーニングを意味し、実際に以下のような分け方があります。
・身体の部分を分ける(上背部・下背部など)
ラットプルダウンやアッパーバック→ローイング
・特定の筋群に分ける(胸部・肩部)
ベンチプレスやペックデック→ショルダープレス・サイドレイズ
・特定の運動パターンに分ける(押す動作・引く動作)
チェストプレス→ベントオーバーロー
以下の例では、身体を「上半身」と「下半身」に分け、トレーニングメニューを設定する方法になります。
トレーニングの頻度としては、二日連続で続いておりますが、同一部位だけみてみると次のトレーニングまで2日間の休息が設けられており、実質的に休息を挟みながらのトレーニングとなっています。
これによってしっかりと回復に時間をかけ、負荷を加える部位を分割する事でトレーニングの量を増やすことが可能になります。
上級者(1年以上)
上級者では中級者よりも頻度を増やすことが重要であり、その回数は1週間に4~6回と言われます。
下記の例は水曜日を休息日とし、その他の曜日全てでトレーニングを実施した場合の予定となります。
休息日以外のトレーニング日において1日2回に分割して行えば、1週間に8回~12回と増やすことが可能であり、上級者でもより一層刺激を与える頻度を増やすことが可能です。
下半身、背中と腕、胸と肩を
【3つの部位を1週間で行った場合】
日曜日:下半身
月曜日:背中・腕
火曜日:胸・肩
水曜日:休息
木曜日:下半身
金曜日:背中・腕
土曜日:胸・肩
また、一般的に上級者が行うトレーニングに「3day on,1day off」と呼ばれるスプリットルーティーンがあります。
これは異なる筋群3か所に焦点を当てて、3日かけて完遂し、4日目で休息日を入れるプログラムになり、一例として下記の「押す系・下半身・引く系」と分割する方法があります。
最後に
全てに当てはめる事が出来るわけではなく、上記の一般的なガイドラインが適用するトレーニングと適用しないトレーニングとがあります。
例えばデッドリフトのような高重量を扱えるトレーニングでは、7日間または10日に1回のペースで良いと言われております。
メニューを増やすことで疲労の蓄積から故障を促すプログラムであってはなりません。
そういった他の背景も考える必要が出てきます。
【引用・参照】