改めて考えるコロナ禍のトレーニング

行動自粛や在宅勤務によって、身体的活動の減少とコミュニケーション頻度の低下が問題視されています。

身体を「動かす事」と対面で「話す事」が減ることで私たちの身体は、どのような変化が生じているのか改めて考えてみたいと思います。

直感力の低下

人の脳は理性的な思考を司る大脳新皮質本当的な思考を司る大脳辺縁系で構成されています。

知性的で計画性を担う大脳新皮質(Cerebralスゥリィブロォ neocortexニィアコォルテックスIsocortexアイソォコォルテックス)は、反応のスピードは遅いけれど意識的に物事を考える領域であり、論理的思考はこの領域で生み出されています。

感情的で直感を司る大脳辺縁系(Limbicリィンビック systemシィステム)は反応スピードが早く、無意識の内に本能的な思考を生み出す領域になります。

2つの領域ではそれぞれが違った思考を生み出し、私たちは独特な想像や思考を行えるようになっていますが、コミュニケーション不足がこれらの中で特に直感的な大脳辺縁系の思考を低下させると言われています。

偏桃体と直感力の低下

大脳辺縁系には扁桃体(Amygdaloidアミィグダァロイド bodyボディ)と呼ばれるアーモンド形の神経細胞の集まりがあり、刺激を受ける事によってコミュニケーションの発達を促進しています。

行動自粛やコミュニケーション頻度の減少は、扁桃体への刺激を低下させ、それにより直感的な思考である大脳辺縁系の活性を低下させる原因となります。

軽いトレーニングがもたらす活性化

20分程度の軽い運動をすることによって偏桃体が活性化する事が分かっており、また筋肉を使うトレーニングを行う事で乳酸が発生し、脳細胞と結合する事によってストレス解消の効果があるとされます。

例えば野外でのウォーキングや屋内でのエアロバイクなどの有酸素運動、心拍数が軽く上がる程度のウエイトトレーニングでも同様の効果が期待されます。

短期的な反応以外にも長期的なトレーニングは脳の構造を変化させ、思考を活性化させる働きもある為、運動がとても重要になってきます。

最後に。

活動の低下による脳の機能低下について取り上げましたが、コロナ禍においては他の問題も見過ごせません。

特に昨年より今年度にかけて糖尿病やアルコール依存症、高血圧や高脂血症の患者が増加しており、活動量の低下が引き起こす多くの問題が浮き彫りになりました。

従来通り、フィットネスジムに行かれていた方が運動を行う環境がなくなってしまった時、どのように工夫をするかが問われています。

実際にトレッドミルでランニングを習慣にしていた方は公園の遊歩道でのトレーニングに切り替えられ、筋力トレーニングをフリーウエイトエリアでされていた方は自宅でのトレーニングに切り替えたとお話を多く耳にします。

そのような工夫が身体の機能を保ち、健康に過ごせる方法の1つなのだと改めて実感しております。