バーベルやダンベルを用いて行うフリーウエイトトレーニングでは、トレーニングの目的をしっかりと定めて行う必要があります。
目的を達成するためにの手段として筋力トレーニングがある訳ですが、どのような考え方に立脚してプログラムを組みかが重要です。
筋力トレーニングには一般的に「原理原則」があり、そのうちの1つが「特異性」と呼ばれるものがあります。
特異性の定義
一般的な辞書には以下のように定義されている。
1.あるものだけにみられる質的な特殊さ。
2.そのものに備わっている特殊な性質。特殊性。
トレーニングの特異性とは
トレーニングに於ける特異性とは「ある特定の変化や結果をもたらすために、ある特定の方法でトレーニングを行う事」としている。
つまり、下半身の筋力強化を目的とする場合、バックスクワットやブルガリアンスクワットを導入する事が特異性に沿ったプログラムと言える。
これを「筋群の特異性」といいます。
また、バスケットのジャンプ強化や三段跳び選手の跳躍強化を目的とする場合、強化した筋力をスポーツや動作に転移する必要がある。
これは「運動パターンの特異性」と呼ばれるものであり、ジャンプ動作を繰り返し行う事を考慮して、その動作に類似したトレーニングを行う必要があります。
バスケットのジャンプならば両足での踏切になるのでバックスクワットやフロントスクワット、三段跳びならば片足での踏み切りになるのでフォワーワードランジやスプリットスクワットなどのエクササイズを取り入れる事が出来ます。
両者の特徴として瞬間的に爆発的なパワーを用いるという観点からクイックリフト(クリーン・スナッチ)などを入れる事も出来ます。
求められる視点
上述したように「筋群の特異性」と「運動パターンの特異性」を考慮したプログラムを考える場合、以下の要素を考慮する必要があります。
・エネルギー機構(フォスファゲン機構・解糖系・酸化機構)
・動作速度
・運動パターン
・筋活動の様式(等尺性収縮・伸張性収縮・短縮性収縮など)
最後に
特異性の原理は多くの書籍などで紹介され、トレーニングの最大効果を生む基本的な考え方です。
動作を見た時にそれがどういった特徴を持っているかを知ることは運動パターンの特異性に繋がり、どのような筋肉を使っているのかは筋群の特異性に繋がります。
故にスポーツバイオメカニクスや解剖学は必要な知識となってくるはずです。