筋は収縮様式によって速度・出力・長さのそれぞれに特徴があります。
収縮様式や長さ・張力関係、力・速度曲線を関係性と合わせて下記に記載します。
伸張性収縮(エキセントリック収縮)
伸張性収縮(Eccentric contraction)は筋が耐えながら伸ばされている状態で、動作の様子からネガティブとも呼ばれます。
筋の出力に比べて負荷が大きい時に現れる収縮様式になり、スポーツ動作に於いて非常に重要と言われる収縮です。
また他の収縮様式に比べて一番力の出力が高い特徴を持ちます。
・別名「ネガティブ」といわれる
・他の収縮に比べて力の出力が一番大きい
・筋が耐えながら伸ばされている状態
等尺性収縮(アイソメトリック収縮)
等尺性収縮(Isometric contraction)は筋の長さが変わらない状態で、力の出力が外部の負荷と釣り合っている状態になります。
その為、外部から見れば関節角度に変化が生じない状態で筋緊張が起きており、代表的なトレーニングにはPlankやHip liftがあります。
・関節角度が変化せず、筋の緊張も一定
・筋の出力が負荷と一致している状態
短縮性収縮(コンセントリック収縮)
短縮性収縮(Concentric contraction)は筋の長さが短くなりながら力を出力している状態になり、動作の様子からポジティブとも呼ばれます。
筋の出力に比べて負荷が小さい時に現れる収縮様式になり、筋力トレーニング時に一番意識する事が多い動作になります。
・別名「ポジティブ」といわれる
・筋の出力に比べて負荷が小さい時に現れる
・筋の長さが短くなりながら力を出力している状態
長さ・張力の関係
長さ・張力関係(Length-Tension Relationships)は、筋の長さと力の出力関係になります。
筋は長さが最大短縮と最大伸張の時に力の出力が最も弱いという特徴があります。
また逆から中間位に近い伸張では力の出力が最大になります。
力・速度曲線
力・速度曲線(Force-Velocity Curves)は、筋の収縮速度と力の出力関係になります。
短縮性収縮に於いて収縮が早い場合は力の出力は弱く、逆に収縮が遅い場合は力の出力が強くなる特徴があります。
伸張性収縮に於いては反対の関係になり、収縮が早い場合は力の出力は強く、逆に収縮が遅い場合は力の出力は弱くなる特徴があります。
フォースカップル
フォースカップル(Force Couple)とは、関節周辺の筋群が連動して働くことにより関節を動かす際に適切な動作へ促す事を指します。
主働筋、拮抗筋、協働筋、安定筋と筋は状況に応じて担う役割を変化させます。
フォースカップルが正しく働かない場合、三角筋によって上腕骨を外転させた時に肩峰にぶつかってしまう状況が起こり得ます。
これは棘上筋が骨頭をしっかりと関節窩へ押し付ける作用が弱い事から考えられます。