本日より国内では気温30度を超える地点が多くあり、熱中症に対して一層注意が必要となりました。
熱中症を防ぐポイントは日傘や帽子の着用、小まめな休憩、水分と塩分の補給、身体の冷却などが挙げられますが、それぞれ具体的なガイドラインはまだ一般的ではありません。
中でも水分補給は熱中症のみならず、コンディションを維持する上でも重要な習慣になる為、改めて水分補給の働きや発表されている指針について把握していきたいと思います。
水分の働き
水分は摂取した栄養や体内で発生した老廃物を血液中に溶かしだす物質の溶解、栄養分や老廃物を必要な臓器に届ける物質の運搬、暑熱環境下で発汗に伴う気化熱を利用した体温調節が挙げられます。
水分の分布
成人の男性で60%が水分を占め、成人の女性では55%と言われています。
高齢者では加齢とともに実質細胞数が減る為、50%が水分とされ、性別や年齢、体脂肪率などの要素によって変化してきます。
また、脳や腸などの臓器や筋肉やなどの組織では含有量が80%と高く、脂肪組織である中性脂肪では33%と言われています。
1.血液・腎臓 83%
2.心臓・肺 79%
3.脾臓・筋肉 76%
4.脳・腸 75%
5.肝臓 68%
6.脂肪 33%
7.骨格 22%
摂取基準
口から摂取する飲料水、食事に含まれる食事含有水、体内で化学反応の副産物として生成される代謝水は人が必要とする水分量の基準となります。
一般的に飲料水(1,000ml)、食事含有水(1,100ml)、代謝水(300ml)は合計2,400mlとなる為、1日最低でも2,000mlの水分が必要と言われる根拠はこちらからきています。
排出基準
上記で摂取した水分は同量が排出される事によって水分出納を保っております。
排出される内訳には尿(1,500ml)、便(100ml)、不感蒸泄である呼気(300ml)や汗(500ml)になり、総量は合計2,400mlとなります。
推奨摂取量
欧米の推奨摂取量などの研究に比べて日本人を対象とした研究が極めて乏しいとされるのが現実です。
欧米の場合、生活活動レベルの低い集団で1日2.3L~2.5L程度、生活活動レベルの高い集団で3.3L~3.5Lと推定されています。
水分摂取源をみると欧米諸国では食事由来が凡そ20~30%、残りの70~80%が水分補給としての推奨摂取量となっています。
これらから日本人の食事では和食が中心となる傾向があり、食事由来の水分が高いと想定されますが、先述したように具体的な摂取量についてはまだ明らかとなっておりません。
しかし、欧米の場合は割合から1.5Lの水分補給が推奨されており、国内の書籍や飲料会社HPでの推奨は1.2Lとなっております。
1つの指標として用いる上ではとても有効と考えております。