パイナップルやトマト、キャベツなどの野菜に含まれるビタミンPですが、あまり知名度の高い栄養素ではありません。
化学名はヘスペリジンと一般的に呼ばれますが、フランバノン配糖体であるフラボノイドになる為、数種類に渡って存在します。
名称のPは「透過性(Permeability)」から来ています。
概要
ビタミンPははっさくやダイダイなどの柑橘系植物の果皮に多く含まれるビタミン様物質です。
ビタミンとは、健康を維持するために必須な栄養素で炭水化物・タンパク質・脂質以外の有機化合物になります。しかし、ビタミンPによる欠乏症は現在考えられないとされている為、ビタミン様物質となっています。
種類
代表的なものだとヘスペリジン・ルチン・ケルセチン・エリオシトリンなどが存在します。
ヘスペリジン(C₂₈H₃₄O₁₅)
ルチン(C₂₇H₃₀O₁₆)
ケルセチン(C₁₅H₁₀O₇)
エリオシトリン(C₂₇H₃₂O₁₅)
生理作用
血管透過性抑制作用が見いだされた事からビタミンとして提唱されましたが、後に欠乏症がないためビタミン様物質と規定されています。
抗酸化作用・抗炎症作用・高動脈硬化作用
含有食品
フラボノイドは天然に存在する色素であり、クマル酸CoAとマロニルCoAが重合して作られるカルコンから派生した植物二次代謝物になります。
以下に代表的なビタミンPと含有食品を記載します。
ヘスペリジン 温州みかんやはっさく
ルチン 蕎麦・イチジク
ケルセチン 柑橘類・玉ねぎ
エリオシトリン レモン・ライム・スダチ