「完全食」と聞いて思い浮かぶ食品はどのようなものがあるでしょうか。
一般的に「完全食」とされ、様々なメディアに取り上げられる食品には以下の食材があります。
「それらを食べて健康を作れるのか？」や「そもそも完全食はどれなのか？」といった完全食と健康、その実態を調べてみたいと思います。
「完全食」とは？
完全食はWikipediaによると以下の定義となっており、語源が様々あるとされる一方で、用法から厚生労働省「日本人の食事摂取基準」に定められた必須栄養を一定のレベルで摂取できる食品が定義として用いられているようです。
健康を維持するために必要な栄養をすべて含んだ食品または食事
厚生労働省では3大栄養素だけでなく、各種ビタミンやミネラルについても健康の増進・維持を図るための指針として目標とする量を発表しています。
また過剰に摂取した場合、生活習慣病に繋がる恐れがある栄養素についても目安となる量(耐用上限量)を公開しており、少なすぎても逆に多すぎてもいけません。
【ナトリウムの目標量(食塩相当量・g/日)】男性 7.5
女性 6.5
【食物繊維の目標量(男性・女性・g/日)】
18～29歳 21以上・18以上
30～49歳 21以上・18以上
60～64歳 21以上・18以上
65～75歳 20以上・17以上
実際の完全食
先述の定義から考えると自然界にそのような食材は基本的に無いと考えられています。
しかし、完全食を違った方面から捉えた場合に必須栄養を過不足なく補える「完全食」と、いくつか過不足がある「準完全食」に分類する事ができます。
完全食の場合、株式会社ベースフードから販売される「BASE BREAD（ベースブレッド）」は、炭水化物とナトリウム以外の栄養素を必要量満たしている完全食とされます。
準完全食の場合、ビタミンや脂質がバランスよく含まれている「鶏卵」やビタミン、ミネラルが程よく含まれている「玄米」が準完全食とされます。
【完全食と準完全食の違い】
完全食…必須栄養素を過不足なく補える食品
Ex…BASE FOOD、COMPなど
準完全食…必須栄養素のいくつかに過不足がみられる食品
Ex…鶏卵、玄米、牛乳など
完全食の種類
現在、「完全食」として認知されている商品を以下に列挙します。
BASE BREAD
「1食に必要な栄養素がすべてとれる。」がキャッチコピーのベースブレッド
累計販売総数が1億袋を越えCMでは、毎日1食を置き換える事でダイエットをサポートするとされています。
2袋で1日に必要な全ての栄養素の1/3を賄えるとされます。(脂質、飽和脂肪酸、炭水化物、ナトリウムを除く)
販売者：ベースフード株式会社／東京都目黒区中目黒5-25-2
製造所：フジパン株式会社／大阪府枚方市村野高見台1-40
BASE COOKIES
ベースブレッドと同じ企業から販売されるクッキータイプの完全食になります。
1食4袋で1日に必要な全ての栄養素の1/3を賄えるとされます。(脂質、飽和脂肪酸、炭水化物、ナトリウムを除く)
べーフブレッドと比べて1/3の必要栄養素を摂取するのに4袋となっているので、量は相当多く食べる必要が出てきます。
販売者：ベースフード株式会社／東京都目黒区中目黒5-25-2
加工所：関東パック株式会社 本社工場／埼玉県熊谷市弥藤吾1578-2
完全メシ
日本人の食事摂取基準に記載される33種類の栄養素をバランスよく配合した完全食になります。
また、栄養バランスと同時に美味しさも追及しており、完全食にありがちな「食味の低下」が驚くほど感じられないという点も特徴になります。
完全メシには以下のカレーメシ(2種類)以外にもドリンクやシリアル、カップラーメンなど様々な商品を展開しています。
販売者：日清食品株式会社／大阪市淀川区西中島4-1-1
加工所：日清食品株式会社 静岡工場／静岡県焼津市相川17-2
加工所(パウダー)：株式会社西野物産／大分県中津市大字永添2684
加工所(オイル)：味日本株式会社／広島市南区皆実町1-10-8
準完全食
準完全食には多くの種類があり、ここでは代表的な食品を以下に紹介します。
卵・鶏卵
ビタミンCや食物繊維が不足するとされる一方で、たんぱく質、脂質、ミネラル、ビタミンはバランスよく含まれています。
玄米
カリウム、ビタミンB1、マグネシウムなどが豊富な一方で、必須アミノ酸がバランスよく含まれています。
牛乳
三大栄養素がバランスよく含まれているほか、カルシウムやビタミンB2が豊富に含まれています。
りんご
ブドウ糖や果糖・ショ糖といった糖類が豊富に含まれるほか、ビタミンCやカルシウム、鉄分などのビタミン・ミネラルも幅広く含まれています。
ブロッコリー
ビタミンCやB群、β-カロテンやビタミンKがバランスよく含まれるほか、カルシウムや鉄分などのミネラルも豊富に含まれています。
ブロッコリーは多くの栄養素が含まれているだけではなく、ビタミンKとカルシウム、ビタミンCと鉄分といったように吸収を助け合う栄養素がバランスよく含まれている点も特徴になります。
完全食だけで健康は維持できるか？
結論から言えば難しいと考えられています。
それは、現在販売されている「完全食」の多くが、過剰に摂取する懸念がある栄養素は除いて作られている為、完全食のみの食生活では偏った栄養バランスになってしまいます。
また、仮に満たされた食品であったとしても個々の人が1日に必要とする栄養素には労働環境や生活習慣によって違いが出てくる為、同一の食品のみで健康を維持するのが難しいと言えます。
詰まる所、健康を維持する上では同一の食品のみで済ませるのではなく、主食・主菜・副菜・汁物と複数の献立から摂取する食生活が望ましいと言えます。
完全食が推奨される方
2016年に実施された統計では、朝食を食べない20代は男性で37.0％、女性で23.5％とされています。
つまり、正しい食習慣を行うのが難しい現代に於いて、完全食は手頃で且つ美味しく食べる事ができる為、食事をしっかりと摂取出来ない方にはおススメの食品となります。
また、朝食だけでなく単品だけで食事を済ませる方も栄養バランスが偏っている事が懸念される為、完全食が推奨されると考えます。
【出典・引用】
