コーヒーと心身の作用(リラックス・ストレス軽減)

コーヒーには多糖類やたんぱく質など様々な成分が含まれており、香りに限って成分を捉えても800種類以上あると言われ、現在も多くの研究がされております。

多くの成分によって作られるコーヒーですが、心身にもたらす作用を上げればメリットが非常に大きい事が分かっています。

コーヒーアロマとリラックス効果

杏林大学医学部精神神経科の古賀良彦教授の研究では、コーヒーの香りによって脳内からリラックスしている時にでるα波が多く発生したことを発表しました。

実験によると産地や焙煎方法によってもα波に違いがあり、産地でいえば「グアテマラ」や「ブルーマウンテン」でリラックス効果が高く、焙煎の度合いでは強い香りを感じれる「深入り」が特にリラックス効果が高いと示されています。

対象者:20代の女性10名
コーヒー粉末、レモン油、蒸留水を用いた比較実験
使用されたコーヒー粉末(以下6種類)
1.ブラジルサントス
2.グアテマラ
3.ブルーマウンテン
4.モカマタリ
5.マンデリン
6.ハワイコナ

【実験結果】

リラックス効果が大きい
グアテマラ、ブルーマウンテン

リラックス効果が小さい
マンデリン、ハワイコナ

焙煎の度合いによるリラックス効果
浅入り<中煎り<深入り

コーヒーとストレス緩和

中村大学栄養科学科の青峰正裕教授らは、ラットを用いた実験でコーヒーやカフェインによってストレスを軽減させる効果が期待できると実証しました。

特にコーヒーとカフェインでは、1回目のセロトニン分泌量と比較して2回目では33~37%へ減少させ、生理食塩水(約85%)やクロロゲン酸よりも大きなストレス軽減効果が期待できると考えられています。

この実験では、ストレスレベルをセロトニンとドーパミンに限って調査を行い、特にコーヒーとカフェインがストレス時に於けるセロトニンの分泌を低減させたことが窺えます。

ラットを拘束後に開放し、投与物質を腹腔内へ投与。再び拘束しその後に開放を行いストレスレベルを計測。
実験では、経過中の脳内ドーパミン(DA)・セロトニン(5-HT)をモニタリングし計測
~投与物質~
1.生理的食塩水(1.5ml・0.9%)
2.インスタントコーヒー
3.カフェイン
4.クロロゲン酸
~拘束・開放時間~
各100分間

【実験結果】

ストレスを緩和する効果が高い因子
クロロゲン酸<生理的食塩水<カフェイン<珈琲

コーヒーについて

コーヒー豆を焙煎して挽いた粉末を湯や水で成分を抽出した飲料がコーヒーになり、いつ頃登場したのかは定かではありません。

しかし、「焙煎した豆から抽出したコーヒー」について登場するのは13世紀(1201-1300)以降とされるので、約700年の歴史があります。

カフェインなどの薬理活性成分を含む事から医学・薬学の面で研究の対象となっており、心身に与える影響について多くの研究がされています。

エネルギー  4kcal
たんぱく質  0.2g
脂質     0g
炭水化物   0.7g
ナトリウム  1mg
カリウム   65mg
カルシウム  2mg
マグネシウム 6mg
リン     7mg
マンガン   0.03mg
ビオチン   1.7µg
食塩相当量  0g

ドリップとインスタントのカフェイン含有量

ドリップ珈琲は挽いた豆から直接香りや味の成分を抽出後、直ぐに飲めるという特徴があります。

インスタント珈琲は同様に直接成分を抽出するまでは同じ原理ですが、その後2通り(1-・2-)の方法でコーヒーパウダーを製造します。

1-フリーズドライ製法では、コーヒー液を冷却し、粉砕。その後に真空状態から水分を蒸発させて粉末を作成します。

2-スプレードライ製法では、コーヒー液を高温乾燥塔で噴霧し、粉末を作成する方法になります。

まとめると珈琲豆より抽出された液がドリップ珈琲になり、複数の工程を経てパウダーにした物を再び液体に戻した物がインスタントコーヒーになります。

カフェインの含有量を比べた場合、抽出時の熱で分解されることはないので、ドリップもインスタントもカフェインの含有量に大きな違いはありません。

【カフェイン含有量】

ドリップコーヒー※1
60mg/100ml
※1コーヒー粉末10gに対して熱湯150ml

インスタントコーヒー※2

57mg/100ml
※2インスタントコーヒーの粉末2gに対して熱湯140ml

ドリップとインスタントのメリット・デメリット

ドリップタイプは挽いたコーヒー豆をフィルターで抽出後、直ぐに飲むことが出来るので、芳醇な香りをそのまま感じ、本格的な味を楽しむことが出来ます。

美味しさの反面、抽出時の時間が少々かかってしまうというデメリットがあります。

インスタントコーヒーは手軽に利用できる反面、香りが少なく、ドリップコーヒーと比べて味が劣るとされます。

メリット デメリット
ドリップタイプ 本格的な味や香りを楽しめる 抽出に時間が掛かる
インスタントタイプ 味が香りが少ない 手軽に作れる

どのタイプがおススメか

珈琲のリラックス効果やストレス軽減効果が多くの研究で明らかになっています。

その上で「ドリップタイプ」と「インスタントタイプ」のどちらを利用する事が特に大きいかを考えてみると、恐らく「ドリップタイプ」になると考えられます。

それは『コーヒーアロマとリラックス効果』でいわれているように脳内のα波とコーヒーアロマの関係から、利用するコーヒー自体もなるべく香りを強く感じれるタイプがおススメです。

忙しい中でコーヒーを抽出する10分程度の時間も心を落ち着かせ、抽出作業そのものをリラックスできる休憩時間として利用する事でより心身のリフレッシュが期待できます。

あなたに合ったおススメのコーヒーは?

「あのコーヒーが美味しかった」や「このコーヒーは合わなかった」といった経験はないでしょうか?

それもそのはず。

焙煎度、酸味、コク、風味といった様々な要素が組み合う事で1つのコーヒーになります。

いくつかのアンケートに答えるだけで好みの系統を判断してくれるサイトがPost Coffeeより公開されております。

【私の場合】
焙煎度 ー Midium
酸味  ー 強い~普通
コク  ー ふつう寄り
風味  ー バランス

この機会に是非、お好みの味を見つけてコーヒーライフをお楽しみください。

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【引用・参照】
・食品詳細「コーヒー/抽出液」
・香りが脳機能に与える効果(特別講演3)(第17回生命情報科学シンポジウム)
・EffbctsolfOdors onBrain Function
・ラットにおける拘束ストレスに伴う神経伝達物質放出に対するコーヒーの抑制作用
・掲載写真に使用した「Post Coffee」