在宅勤務による睡眠の乱れ

生活様式の変化

新型コロナウイルスの流行により従来の働き方が大きく変わったという方が多くなりました。

出社時間をずらす事で公共交通機関での密集を防ぐ工夫や、オフィス業務を自宅で行う在宅勤務など労働そのもののやり方に大きな変化が生まれました。

人のライフスタイルは、仕事をすることで一定のリズムを刻み、自律神経を整えるとされます。

しかし、コロナ禍において公共交通機関によって密集を避ける為、今まで通りの出勤時間を変えさせざるを得ず、結果として生活サイクルが乱れてしまう方が多く現れました。

また、在宅による活動量の低下は座りっぱなしの時間を助長させ、活動代謝の減少によって体型や睡眠にマイナスの作用をもたらしました。

【コロナ禍による変化】
出勤時間の変更  → ライフサイクルの乱れ
在宅勤務への変更 → 活動代謝の減少

睡眠時間の変化

働く人の健康づくりを重視した経営を支援する「ブレインスリープ(東京)」より、緊急事態宣言が発令された4月、東京を含む7都府県で睡眠のアンケートが実施されました。

睡眠時間の後退

睡眠時間の変化では「働き方に変化があった人」の21.8%が就寝時間が遅くなったと回答し、早くなったと回答する12.9%を上回る数字となりました。

起床時間の変化では「働き方に変化があった人」の33.9%が起きる時間が遅くなったと回答し、早くなったと回答する7.4%の実に4倍以上の方が、起床時間の後退を実感しているようです。

アンケートとして働き方に変化があった多くの方で、睡眠時間は伸びているものの就寝・起床の時刻が後退し、従来と比べて夜型に移行している様子がアンケートから浮かび上がりました。

睡眠障害の背景

コロナ禍に於いて、睡眠障害の大きな原因は在宅勤務や外出自粛による運動不足が挙げられ、特に日中のエネルギー消費が減ることにより体が長く寝る必要がないと判断してしまう為、睡眠の乱れとなって現れるとされます。

また、睡眠の乱れは体内時計のズレに繋がり、朝日を浴びる事で修正される「体内時計の周期」がズレた状態で移行してしまうのも原因として考えられます。

体内時計とは…
生物時計とも呼ばれ、およそ24時間周期のリズム信号を発信する機構。
生物に内在するこの24時間周期を「サーカディアンリズム」といい、脳内の視交叉上核がそれを担っている。
e-ヘルスネットより

ズレを修正する方法

体内時計のズレを修正する方法は、運動や食事による介入などいくつか存在します。

その上で睡眠からのアプローチを以下にご紹介いたします。

以下のアプローチを実践する事で、毎日同じ時刻での起床を促し、良質な睡眠を確保する事で体内時計のズレを結果的に修正することが可能になります。

【睡眠による介入】
①入眠時に心配をするほど無理に眠ろうとしない
②朝は決まった時間に起床するよう心掛ける
③睡眠不足の場合は、10分~15分程度の昼寝を入れる
④食後に軽い眠気がある場合は軽い運動を取り入れる
⑤寝る時間が後退した場合もなるべく同じ時刻に起床する。

最後に。

睡眠不足は、疲労の蓄積や集中力の低下など生活の質を大きく下げる原因となります。

また、睡眠が十分にとれていないというだけで疾病疾患のリスクが高まる事も示唆されています。

先進国の睡眠時間を調べた統計では、日本の睡眠時間は

アメリカの8時間45分を下回る7時間22分と言われます。

質の高い睡眠を確保する事は「健康」を獲得する上で必要不可欠な要素であると言えます。

「健康」とは…
病気でないとか弱っていないという事ではなく、肉体的にも精神的にもそして社会的にも全てが満たされた状態にある事
日本WHO協会訳より


【引用・参照】

~新型コロナウイルスの影響による働き方の変更に伴う実態を調査~ 睡眠専門医西野精治から免疫力アップのアドバイスをYouTubeチャンネルにて独占取材 | ブレインスリープ (BrainSleep)
株式会社ブレインスリープ(本社:東京都千代田区、代表取締役:道端孝助以下「ブレインスリープ」)は新型コロナウイ