東京オリンピックにて空手が正式競技として史上初めて採用され、男子形の種目で日本人の喜友名涼(きゆな りょう)選手が金メダルを獲得しました。
事前の優勝候補として名前が挙げられていた選手というだけあってプレッシャーはとても大きなものだったと思います。
喜友名選手の空手についてや背景などを探っていきたいと思います。
喜友名涼選手
5歳から空手を始めて中学校3年生の時に現在の所属する流派へ転身します。
数々の国際大会で優勝し、WKE(世界空手連盟)が主催するプレミアリーグ(別名:KARATE1)では19回の優勝記録からギネス世界記録に認定されました。
劉衛流(りゅうえいりゅう)とは
空手の古武道の1つであり、佐久本嗣男(さくもと つぐお)が劉衛流道統5世を務める沖縄伝統空手の流派になります。
19世紀に沖縄県那覇市出身の仲井間憲里(なかいま けんり)が中国で6年ほど修行して沖縄に持ち帰った拳法が起源となっており、仲井間家で一子相伝で継承されてきた背景があります。
佐久本氏は、沖縄県恩納村出身で学生時代に陸上と空手(剛柔流)を学んでおり、日本体育大学卒業後に沖縄へ帰郷し高校教諭となりますが、「変わった空手をしている人がいる」という話を聞いたことから劉衛流を知り、4代目仲井間憲孝(なかいま けんこう)から19年ほど習い、劉衛流の門戸が開かれた背景があります。
始祖:劉龍公(るーるーこう)
2代:憲里(けんり)
3代:憲忠
4代:憲孝(けんこう)
5代:憲児(けんじ)
東京2020での採点
形の採点方法についてはこちらの記事をご覧ください。
決勝戦、先攻はスペインのダミアン・キンテロ選手がスーパーリンペイを行い、後攻で喜友名涼選手がオーハンダイを行いました。
採点結果は以下のようになっております。
喜友名涼選手:ダミアン・キンテロ選手
20.02(技術点)19.32
8.70(競技点)8.34
28.72(得点)27.66
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喜友名選手のトレーニング
365日練習をするそうで、東京オリンピック2020の決勝当日も早朝5:30に起床し、ウォームアップを始めていたそうです(記者会見)
また、基本的な稽古とは別にクロスフィットなどのトレーニングも行っており、リングを使用したマッスルアップや反動をつけないマッスルアップなど、身体能力の高さが窺い知れます。
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最後に
決勝戦での判定が終わり、その後の立ち振る舞いがとても話題となりました。
コート内で正座をし、正面に礼をした姿に武道としての空手道がとても反映されているように感じました。
柔道がヨーロッパで大きく広がった理由の一つに全日本柔道連盟第4代会長の宗岡宗二(むねおか しょうじ)は「フランスなど欧州で日本柔道が高く評価されるのは、教育的側面にある。格闘技として、ただ強ければいいのではなく、礼儀作法や品位、知力が備わるから、子供を道場に通わせたいと思われる」と話していました。
競技としての空手や伝統としての空手など様々議論がありますが、競技としての空手であっても礼儀作法を重んじる空手道はとても美しいと感じました。