北京オリンピック金メダリスト/小林陵侑選手

2022年2月3日に行われた北京オリンピック3日目にて種目「ジャンプ男子ノーマルヒル」で今大会日本勢初の金メダルとなりました。

日本人としては、1998年の長野オリンピックで船木和喜(ふなきかずよし)選手のラージヒル以来24年ぶりの金メダルとなります。

今回、小林陵侑(こばやしりょうゆう)選手のトレーニング方法やフィジカルに関してピックアップしていこうと思います。

小林陵侑選手のプロフィール

5歳の時にスキーを始めて、小学校1年生の時にスキージャンプをするようになります。

高校生まではクロスカントリーとスキージャンプを組み合わせ競技である「ノルディック複合」にも取り組み、全日本中学生大会で史上2人目のノルディック複合とジャンプの2冠を達成しています。

盛岡中央高等学校を卒業後、札幌市に本社を置く住宅メーカー「土屋ホーム」へ実業団チームの選手として所属します。

2018~19年には日本男子初のスキージャンプ・ワールドカップ総合優勝、FIS(国際スキー連盟主催)アルペンスキー・ワールドカップで最多の通算26勝という偉業を成し遂げています。

お兄さんは小林潤志郎(こばやしじゅんしろう)選手、お姉さんは小林諭果(こばやしゆか)選手と兄弟そろってスキージャンプの選手です。

【小林陵侑選手】
出身地:岩手県八幡平市

身長:174㎝
体重:60㎏
年齢:26歳(1996年11月8日)

北京オリンピック/ジャンプ男子ノーマルヒル

1本目は全体の2位となる104.5m(145.4ポイント)を飛び、2位に6.2ポイント差をつけて全体のトップとなりました。

2本目では、悪条件となり追い風に煽られながらも99.5mを記録し、合計275ポイントで金メダルを獲得しました。

1回目:104.5m(145.4ポイント)
2回目:99.5m(129.6ポイント)
合計275ポイント

トレーニング

小林選手のトレーニングはSNSやYoutubeにアップされており、その種類や方法など様々な工夫がされております。

特異的バランストレーニング

前半は、ハードルと半円形バランスボール「BOSU」を用いたトレーニングになり、飛び越えた空中姿勢をしっかり維持した状態で着地する事が求められます。

不安定な姿勢からの飛び出すという条件も加わる事からより一層スキージャンプ競技に特異的なトレーニングと考えられます。

バランスディスクに着地後、ダンベルを上を渡ってからボールへ移行。

ボールからケトルベルを渡ってフィニッシュという一連のバランストレーニングの中で支持基底面が常に変化する特徴も踏まえたメニューになっているように見えます。


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基礎的バランストレーニング

10:43~からの映像になります。

先述したバランストレーニングに比べて左右の不安定さのみに特化したトレーニングになります。

※使用されているタイプと同様のバランスボード

前後、左右、回旋と人体の動きは3面の中で行われますが、バランス能力を高める上で課題を一度に複合して行うよりも、抽出された課題を1つ1つクリアしていく方が複雑にならない分、早期獲得に繋がるといわれています。


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身体評価

12:03からの動画になります。

初めに行われる片脚でのスクワット(Single leg squat)、その後の、片脚での遊脚操作(Single leg Star balance excursion test)をしています。

多くのスポーツは利き足や利き腕というものが存在し、競技の特性によってどちらかに偏る場合が往々にしてあります。

スキージャンプ競技では着地時のテレマーク姿勢が理想とされる事から前後で脚を開く関係で、左右差が生まれやすくなります。

「テレマーク」とは
体操競技の着地ポーズに相当し、両手を水平に開きしゃがんだ状態で、後ろ足はつま先立ちで膝から下を前後に開く着地ポーズになります。

その左右差が身体に動作不良として影響していないかどうかをチェックする為の評価として、片脚で動作を行うテストを実施しているようです。


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レジスタンストレーニング

14:21~の映像になります。

一般的なバーベルを用いたバックスクワットになります。

しゃがむ動作や深さをみるとジャンプ競技の飛び出しに類似した姿勢を取り入れているようです。

トレーニングの代表的な原理に特異性と呼ばれるものがあります。

これは、「トレーニングの効果は実施したトレーニングの内容に同様である」という事になり、つまるところ行ったトレーニングのようにしか高まらないという事になります。

その為、小林選手の行っているトレーニングはより競技特性に沿った内容に見えます。


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最後に

オリンピックに限らずアスリートの多くは工夫を凝らしたトレーニングを実施しています。

その裏にはサポートするアスレティックトレーナーやストレングス&コンディショニングコーチなど多くの専門家の存在があります。

それら多くの専門家の支えによってアスリートは自身の限界に挑むことができ、ベストコンディションで身体を作り上げる事が可能なのだと感じます。

専門家が考えるトレーニングや概念はあまりクローズアップされませんが、SNSに投稿される内容から少しずつ汲み取る事が私自身にとっても大切な事だと考えております。


【引用・参照】

小林陵脩選手のYoutube
Red Bull snow/小林陵侑 – 再起への挑戦 | LIMITLESS