1896年のアテネオリンピック(近代五輪第1回)から2021年の東京オリンピック(第32回)まで競技として採用されている男子体操は、8種目が実施されます。
それぞれの8種目でメダルが狙える為、全ての種目で代表となった場合1人で8個メダルを獲得する事が可能であり、過去の選手では日本の小野喬(おのたかし)選手が1960年のローマオリンピックで6個獲得しています。
また今大会では、種目別のみ参加可能な「種目別スペシャリスト」最大2名の枠が設けられており、内村航平(うちむらこうへい)選手、亀山耕平(かめやまこうへい)選手が代表となっています。
現在のルールでは、技の難易度を表すDスコア(Difficulty)と、技の美しさや正確さを表すEスコア(Execution)を足した点数で競います。
団体総合
通常5人1チームですが今大会のみ4人1チームで行い、各種目の上位3名による総得点で競います。
前回大会(2016リオ)では、日本が優勝、ロシアが2位、中国が3位です。
順番からもロシアと中国は体操競技の強豪国になり、イギリスやアメリカがそれに続く形になります。
今大会で日本代表に選ばれた4名は以下の選手です。
萱和磨(かや かずま)選手
谷川航(たにがわ わたる)選手
北園丈琉(きたぞの たける)選手
「個人総合」
ゆか、鉄棒、あん馬、つり輪、跳馬、平行棒の6種目全てを演技しそれぞれの合計点で競います。
体操選手として全ての能力を備えるオールラウンダー種目とされる傾向がありますが、選手によっては種目ごとに得意不得意があり、予選のグループ分けでどの種目を最初に実施するかが決定し、最後の種目までだれが勝つか分からない面白さがあります。
過去2大会(2016リオ、2012ロンドン)で男子個人総合を連覇した内村航平選手は、今大会では種目別(鉄棒・平行棒)での代表となり、団体総合の4名が7/28㈬に行われる個人総合(決勝)に出場します。
ゆか
男子は70秒以内という時間内で12m四方の中で演技を行い、四隅に必ず到達する事がルールとなります。
タンブリングバーンと呼ばれる特殊な構造の床は、スプリングやスポんん時などの反発材の上に板とカーペットが重ねて敷かれています。
減点としては12m四方のラインから出たり、四隅の位置まで下がる際の歩数が必要最小限でなければいけないなどがあります。また全種目に於いて禁止されているのが終末技で足以外を着地してはいけないというものがあります。
鉄棒
現時点の難易度で唯一、I難度のMIYACHI(伸身ブレットシュナイダー)が鉄棒の技にあります。
今回、鉄棒の種目別で惜しくも選考から外れてしまった宮地秀享(みやちひでたか)選手の名前から来ている技で、体操界の技で現時点でのI難度はこのミヤチだけになります。
鉄棒から手を離す離れ技やバーの上での旋回など見どころは多く、ダイナミックな種目です。
団体総合の4名の他、種目別スペシャリストで内村航平選手が出場します。
あん馬
6種目ある中で最も難しいと言われる種目であり、苦手意識を持つ選手が多くいます。
大きく5つの技で構成されており、左右に身体を大きく振る振動系、旋回しながらあん馬を縦や横に移動する移動技、身体を起こして水平に足を運ぶ旋回技、身体を全体で横にしながら水平に回転する展開技、あん馬から降りる終末技になります。
また、他の種目と比べてあん馬だけ静止技がなく、開始から終わりまで常に腕で全身を支え動き続けなければいけない特徴がある事から難しいと言われます。
団体総合の4名の他、種目別スペシャリストで亀山耕平選手が出場します。
つり輪
他の種目では技の流れが重要視されている為、1つ1つの技で制止すると減点の対象となりますが、吊り輪に於いては静止して技をみせる事が多く、方向性が大きく異なります。
その為、どの種目でも上位を狙えるオールラウンダーの選手からすれば他の種目と両立させることが難しいとされます。
演技時間は吊り輪に捕まってから着地するまでとされ、演技の途中で吊り輪から手が離れた場合は減点となります。
またつり輪を故意に交差させる事や身体が横を向いた状態での着地は禁止行為になります。
跳馬
1演技につき1つの技しか実施しないという特徴があり、技を組み合わせて演技を行う他の種目と一線を画す種目です。
また、団体総合では跳躍が1人につき1回ずつになっているが、種目別跳馬決勝だけ2度演技を行うルールがあり、同じ系統か第二局面(跳馬に手を着いてからの動作)が同じ技の場合は決定点から1点の減点があり、同一の技ならば0点となる為、種目別の決勝のみ違う演技を行う必要があります。
また現在のルールでは第一局面(跳馬に手を着く前の動作)で認められる動作がひねりだけとされる事から、過去に行われたマイ跳びという技が禁止になっている。
※マイ跳び参照動画
https://youtu.be/kVpNU1HJkqc
平行棒
2本の棒を使って振動技や旋回技などダイナミックな演技を行う種目であり、力技や静止技に大きな制限を持つ種目です。力技と静止技に限り、難易度表に掲載されている技以外は実施が認められず、行った場合減点の対象となります。
また平行棒からの落下には1点の減点があり、30秒以内であれば再び演技を行えますが失敗した技は加点対象になりません。
団体総合の4名の他、種目別スペシャリストで内村航平選手が出場します。